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2008年6月16日 (月)

「ブルータス」井上雄彦特集に拍手

「ブルータス」最新号が「緊急特集 井上雄彦」を組んでいるというので、急ぎ手に入れてざっと見てみた。うまいね、ブルータスは。上野の森美術館で「最後の漫画展」を開催中の、このタイミングで井上特集を組んでみせる、というのが。なんでも23万部も刷ったそうな、噂では。そんなに刷る男性誌、最近は聞いたことないからね。

 井上ファンを自認する、多忙の内田樹を井上のスタジオにまで連れて行って写真を撮っているし、井上のアメリカへの旅にも同行してるし、「未公開ネーム&メモ」や、展覧会入り口に掲げられてある人相の悪い武蔵の「ポスター」までおまけでつけてある。がんばったね、編集者は。

 さて、その記事の中で美術史家の山下裕二氏が語っている話が面白かったので引用しておきたい。美術館で井上雄彦の筆を使用した漫画を初めて見たとき、「これはすでにアートである」と感嘆したのだが、似たような感懐を山下氏も述べている。

<はっきり言って、これほどの線が引ける日本画家は、第二次世界大戦以降ひとりとして存在していません。井上さんは存命日本人画家の誰よりも画力がある。習うでもなく、独力でここまで「筆ネイティブ」に迫る画力を身につけた人が現代にもいるんだと、心底感心しました。>

「筆ネイティブ」とは、鏑木清方や上村松園あたりを最後に絶滅してしまった、「物心ついた時から筆を握り、筆で描くことが血肉化している人」のこと。

<僕はプロであることを突き詰めていった末に出てくる「すごみ」というものが大好きですが、井上さんも自分で自分を鍛え上げてしまった人。毎週の締め切りに追われ、大勢の読者を満足させなければならないマンガ家であるがゆえに、ネイティブに遜色ないほどの筆力を短期間で身につけることができたのでしょう。ホント、びっくりです。>

 確かに、私も、上野でホントにびっくりした。

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