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2008年9月 9日 (火)

「ラインが見える」って?

  北京オリンピックで見事金メダルを獲得した、日本の女子ソフトボールのエース、上野由岐子投手の話を8月28日の項で書いた。印象的な上野投手の話というのは、概略、こんな内容である。

「最初の方の回で、すでに勝利を確信していました。というのも、これまで経験がないほどに自分は冷静で、ここに投げれば絶対に打たれない、という球筋が、まるで線でも引いてあるように、ラインで見えていたんです。だからそのライン通りにボールを投げればよかった。まるで、神様が降りてきたようでした」
  
   そんな話に続けて、タイガー・ウッズが絶好調の時には、よくテレビの解説者が「ゾーンに入っている」という解説をしていることを書き加えた。「ゾーンに入った」ウッズの強さは尋常ではない。やることなすことすべてがうまく噛み合っていて、とても人間業とは思えない活躍をしてみせる、と。
  
   そのことを書いた翌日、我がゴルフの師匠、ゲンちゃんと近所のそば屋へ行った。もりそばをすするゲンちゃんに、「ゾーン」について聞いてみた。

「よく、テレビのゴルフ中継で、解説者が、<ゾーンに入っている>って言うでしょ。あれは、どういう意味なのかしらね。やることなすこと何もかも善循環的にうまくいく、という意味なんだろうか? ゾーンに入ったことが一度もないからわかんないんだよね」

「うーん、なにもかもうまく行く、ということもあるけどね、めちゃめちゃ調子がいいとラインが見えるんだよね」

「えっ、ラインが見える?」

「そう、ドライバーもアプローチもパットも、このラインへこんな感じのボールを打ち出せばいいっていうラインが見えるのよ。で、その通りの球が打てるのよ、不思議なことに。グリーン左バンカー方向へ球を打ち出して、落ち際にカットされてフェードしつつ落ちて、グリーンに落ちてから5ヤードほど右に転がる、っていうイメージが描けちゃうわけ。打つ前に。で、その通りの球が打てちゃうのよ、そんなときは。パットのラインもきれいに見える」

   このとき、「ライン」という言葉がゲンちゃんの口から出てきたので大いに驚いたのである。上野投手も同じように、「ラインが見えた」と語っているからである。もちろん、ゲンちゃんには上野投手の話は一切していないのである。

「でね、そんなときは、実に不思議なんだけど、自分でプレーしてるのに、まるで自分ではないみたいな感じになるの。誰かにそうさせられているような感じに襲われるのよ・・・・」
  
   ここでも驚かされたのである。8月28日の項で私はこう書いていたからである。

<ある企画を練らねばならず、何日も何日も、目覚めて意識がある間中考え続けていると、1週間ほどたった深夜、眠っているのに、まるで「空からそのアイデアが降りてきたように」、天啓のようにしてプランがするするっとまとまることがある。あ、メモしておかないと忘れる、と思い立って起きだし、枕もとのメモにあわてて書き留めるのである。その時、なぜ、自分はそんなことを思いつけたのかが分からない。
  
  メモを書いているのは自分なのだが、自分ではない誰かに書かされているような気にさせられることもある。上野さん、水木さんのような強烈な体験でないけれど、なんだか、妙な体験である。>
  
    実に不思議である。上野投手とゲンちゃんがなぜ似たような体験を語るのか? そのスケールは天と地ほどの開きがあるのに、語る内容は、妙にオーバラップしているのである。

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