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2009年2月20日 (金)

チュッパチャップス

  
    うー。紀尾井町のオーバカナルで、ハーフアンドハーフのビールを飲んで、ステーキフリットを食っちゃったから、しばらくはクルマの運転ができない。酔っ払ってるもんね、はっきりと。酔いがさめるまで、しばしコツコツとブログ書きに励も。

  二日前に、信濃町の創価学会の裏手にある立派な貸スタジオで、「コンサートのリハーサル」というものを初めて経験した。午後2時からスタートして終わったのが夜10時。演奏するグループが一組、あとは出演するアーティストが時間差で次々とやってきて、自分の担当する歌を歌い、細かいところを打合せする、というのがパターンだった。

  感心したのは、そこに集まったメンバー全員の音楽リテラシーの高さ。まあ、プロなんだから当たり前といえば当たり前なんだけど、楽譜も読めなければ、空気も読めない私にしてみれば、ただただ驚くことばかり。

    初見の楽譜を見て、全員で、「8番目のFのところでベースのソロ入れとこうか」「この終わりはバンバッ、バンバッ、バッ、でいっとこう」と何言ってるんだか素人にはさっぱり分からない相談の後、「じゃあ、軽くやってみよう」と演奏が始まる。アーティストが歌を歌う。もう随分前からみんなでこの曲を演奏してきたんじゃないか、というくらいの完成度である。

    ジャズの場合には絶妙のアドリブなんかも入れて楽しんでいるとしか思えない。プロというのは凄いもんだなあと思うとともに、でもこれは野球で言えば、松坂投手がブルペンで、130キロくらいのストレートを肩慣らしで投げているようなもんなんだろうな、と思う。本気で投げたら、凄いんだろうなあ、と。

    レイ・チャールズの「ジョージア」の音合わせの時には、関西出身のバンド・リーダーが「まだ8時やのに、ジョージア」とくだらない駄洒落を愉快に飛ばしていたから、この人たちが本気になったらかなり凄いことになるに違いない。本番は3月2日。楽しみである。

    しかし、この人たちは休憩時間に猛烈にタバコを吸う。嫌煙権とか禁煙スペースとか肺がんとかの語彙は、この方たちの楽譜にはない。廊下が灰色にかすむくらいにタバコを吸う。紫煙が苦手な音楽家はどうするんだろう。

    私は仕方がないので控え室に大量に用意されたお菓子に手をつける。壜にいっぱい詰まったアメをひとつ取り出してなめる。ちゅぱちゅぱなめる。

    リハーサルが終わって、「お疲れ様でしたー」の挨拶を済ませ、また壜の中から、棒つきキャンデーを一つ取り出してくわえ、ちゅぱちゅぱしながら最寄り駅の信濃町に向かう。これ、ちゅぱちゅぱするからチュッパチャップスというんかいな、と思いながら。

    信濃町の改札口を抜け、口から出た棒を上下に躍らせながら階段を下りてプラットフォームに着くと、そこに似た年恰好の男がいた。ハンフリー・ボガートみたいなしぶいコートを着ている。その男が私の方を振り向いた。

    あ、と驚いた。その男も口から棒を突き出してちゅぱちゅぱしていた。全く見知らぬ男だが、お互いに気まずく目をそらした。男は千葉方面へ、私は三鷹方面の電車に乗った。

    電車に乗ってから、笑いがこみ上げてきた。

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