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2010年5月 3日 (月)

最近の新聞はこんなことになっちゃたの?

    今朝(5月3日)の朝日新聞の一面を読んでいて驚いた。

    一面トップは「ギリシャに14兆円融資へ  EUとIMF ユーロ圏へ初」との大きな見出しで、国家的倒産の危機に陥ったギリシャの崩壊を押しとどめるために、EUやIMFが支援融資をすることになった、というごく普通の国際記事である。

    この記事自体には何の違和感もない。驚いたのはその本記事に接して、「もっとわかる」という小見出しのもとに書かれた解説記事である。

    その解説記事の見出しは「世界経済に波及懸念」。「ロンドン=有田哲文」とクレジットされているから、ロンドンの支局員が書いたものだろう。読み進んでいるうちに、えーっと驚いたのだ。引用する。

<(・・・・・)ギリシャは、経済規模がユーロ圏の2~3%を占めるに過ぎない小さな国だ。しかし、ギリシャが発行している国際のうち約7割は外国の投資家が買って持っている。その中心は欧州の銀行で、もしギリシャが国家破綻し国債による借金を返せなくなれば、たくさん損をする恐れがある。>

  なんだか子供新聞みたいな記事だな、と思って読んでいて、いきなり<たくさん損をする>という言葉に出くわして、なんじゃこりゃ、と思ったのである。「子供新聞みたい」ではなくて、これでは「子供新聞」そのものである。

  引用を続ける。

<欧州の銀行はギリシャの民間企業にも多くのお金を貸している。これも焦げ付き、損がふくらむ可能性がある。銀行は損を多く出すと、企業や個人への貸し出しを減らさなければならなくなる。そうなると景気後退を招き、場合によっては他国の銀行の経営の足まで引っ張る。(・・・・・・)
  ギリシャ一国の処理につまずくようでは、他のこうしたユーロ圏の国債を持っている投資家が、ひょっとしてお金を返してもらえないのでは、と心配になる。借金を返してもらえないかもしれないと思われた国の国債利回りは高くなる。すると、その国の利払い額は増え、財政はますます悪化する。>

  ざっと、こんな具合である。できるだけ分かりやすく、簡単な言葉を使って書こう、という苦心のあとが随所に見られる。「たくさん損をする」「お金を貸している」「ひょっとしてお金を返してもらえない」「心配になる」などなど、因果関係の説明部分にことのほか身近な言葉を使用し、行数も費やしている。

  有田記者も、朝日新聞に入社して、まさかこんな風に記事を書かねばならなくなる日がやってくるとは思っていなかったに違いない。

    若い人の新聞離れ、というのが背景にはあるのだろう。「どうして新聞読まないの?」と問われた当の若い人たちは「だって、ぱって読んだだけじゃ、何が書いてあるかちっとも分かんないんだもん」と答えただろう。

 そうか、彼らにも分かるように記事を書かねばならないんだな。実売部数も広告収入も激減してるわけだから、もっとやさしい語り口の記事にしよう。そう、経営者は考えたに違いない。

  かくして「子供新聞」もどきの記事が一面を飾ることになったのだが、しかし、と私は思う。新聞記事には物理的に総行数という制限がある。短い文章で的確に多くのことを伝えなくてはならないという宿命がある。

  それに逆らうようにして、こんな冗長な記事を書いていていいもんなんだろうか。記事の冗長化によって記載できなかった事実が増加するのではなかろうかと、人事ながら心配になる。

  とまれ、この記事を読むことによって、どれだけ我々がバカになったかがよーく分かる。

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