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2010年9月20日 (月)

「食べて、祈って、恋をして」と「紙兎ロペ」

   久しぶりにお台場のメディアージュへ。お目当ての映画は、ジュリア・ロバーツ主演の「食べて、祈って、恋をして」。

  見終わっての感想はというと、「アメリカ映画は、というかニューヨーク製の映画は、どうしてこんなに、生きることの息苦しさや困難さを主題に一生懸命映画を作るのだろうか」というまっとうなものと、「ジュリア・ロバーツは前からこんなにチンパンジーみたいな顔だったっけ?」というもの。

  仕事に行き詰まり、結婚を破綻させ、恋愛も不完全燃焼な女主人公(ジュリア・ロバーツ)は、「より充実した人生を送る方途を探して」イタリア、インド、タイへと旅立つ。それぞれの地で、生の輝きを目撃し、タイでは新たな恋人に出会ってめでたし、めでたしというものなのだが・・・・。

  とりわけ男女間の人間関係における「生きることの困難性」を選択的に主題に据えて映画を作り続けるアメリカ人を見ていると、かの国の方たちは、「悩み、のたうつことが趣味なのではないか」と思わざるを得ない。

「マグノリア」であれ、「アメリカン・ビューティ」であれ、彼らの悩みの淵源は、「今ここではないどこかに」自分に最もふさわしい場所があり、「今、目の前にいる相手ではない誰か」が、きっと自分を幸せにしてくれる、という根拠のない信憑にとり憑かれている点にあるように思える。

  60近くなってくると分るけど、そんなもん、おまへんで。

  自分に相応しい仕事も場所も伴侶も、そんなものはこの世に存在しない。存在するのは、「何物にも納得、満足できない自分が存在する」という事実のみである。

  映画の中で、タイの歯抜けのじいさんがジュリアに「脚が4本ある人体の絵」を授けて、「こんな風にしっかりと大地に根を下ろし、肝臓で微笑むほどににこやかに暮らし、心で周りを見つめなさい」とアドバイスをするが、東洋的叡智と言うのはまさにそうしたもので、ジュリアはNYから離れることなく、かの地でじっくりと自分を見つめ直してみるべきだったのではないか、と老婆心ながら思う。

  タイの地で、やたらめったら濃ゆい顔の男と恋に落ちて幸せそうなジュリアだが、この恋も長持ちはすまい、と思う。だって、この男、コーエン兄弟の非情の暴力映画「ノーカントリー」で、罪もないおじいちゃんを撃ち殺しまくった悪い奴(ハビエル・バルデム)で、しかも、競演女優喰いで有名。ペネロペ・クルスを孕ませちゃった奴ですからね(笑)。

「ノーカントリー」については過去のエントリーを。
http://kingkingko.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_1f24.html

  で、ここからが本題。メディアージュでは何本かの予告編が終って、さあこれから本編が始まるというときに、数分のオマケのアニメが上映される。

  これが無茶苦茶面白いのである。

  もう20年近く前のことだが、イタリアの場末の映画館で、本編が始まる前に短い実写のコメディを見たことがある。試験会場の受験生を主人公にしたコメディで、必死になってカンニングしようとする男の滑稽な仕草に大笑いした。それが初めてみた「ミスター・ビーン」だった。

  あるいは同じころ、やはりヨーロッパのどこかの映画館で短いオマケのアニメを観た。電線に鳥がいっぱいとまって、電線がたるんでくるという爆笑アニメだったが、そのときに初めてピクサーのクレジットを目にした。

  今回目撃したそのアニメ「紙兎ロペ」は、その前例に匹敵するほど面白いのである。百聞は一見にしかず。まずは、下記のyoutubeでどうぞご堪能ください。

http://www.youtube.com/watch?v=k9IXFr-1jT8
http://www.youtube.com/watch?v=QWDyxV7mLqI
http://www.youtube.com/watch?v=V0D4NlHuNRg
http://www.youtube.com/watch?v=C2Y2QGnButY
http://www.youtube.com/watch?v=4a2vyZO74bc

「ガチャガチャ篇」は何回見ても笑ってしまう。

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「食べて、祈って、恋をして 」★★★ ジュリア・ロバーツ、ジェームズ・フランコ、ハビエル・バルデム、リチャード・ジェンキンズ出演 ライアン・マーフィー監督、140分、2010年9月17日公開、2010,アメリカ,SPE (原題:EAT,PRAY,LOVE)                     →  ★映画のブログ★                      どんなブログが人気なのか知りたい← 「イルカを殺したり、クジラを食べる人達はキライ、 そんなジュリア・ロバーツも映画の宣伝だから... [続きを読む]

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