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2012年6月

2012年6月 3日 (日)

「紙兎ロペ」、勝手にシナリオ、第三弾だ!

 
    久しぶりの更新ですが、性懲りもなく、「紙兎ロペ」の勝手にシナリオ第3弾。今回は「ラーメン屋さん篇」です。

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 下町のラーメン屋のテーブルで、向かい合って座るロペとアキラ。

 ラーメン屋の店主から「ご注文は?」の声がかかる。

アキラ 「あ、オレ、普通の醤油ラーメン。麺固めで」

ロペ 「味噌ラーメン、お願いします」

   向き合って座る二人。特に話題はないので、黙って向き合っている。調理場ではフラ  イパンでもやしを炒める音が聞こえる。
   テーブルの上には、さっき便器から回収したばかりの携帯電話が乗っている。

ロペ 「アキラ先輩、とんだ災難でしたね・・・・・・」

アキラ 「おおよ。ほんとにまいったわ。壊れなくてよかったけど」

ロペ 「先輩、それ、テーブルの上に置いておいて大丈夫すか?」

アキラ 「大丈夫よ。よく拭いたし」

ロペ 「臭い、しません?」

アキラ 「臭い?」

   アキラ、携帯を手にとってくんくん臭いをかぐ。

アキラ 「臭い、まだするわ」

ロペ 「えっ、ど、どんな?」

アキラ 「えーとね、トンコツスープみたいな臭い」

ロペ 「ちょ、ちょっと待って下さいよ。これからトンコツラーメン食べるんでしょ」

アキラ 「うん、食べるよ。だけどなあ、もう、トンコツスープの臭いと便器の臭いの違いが分らなくなったわ」

ロペ「そこまで、言いますか・・・・・」

  「へい、お待ちど」と店員がラーメンをふたつテーブルの上に置く。
  箸入れから、紙に入った割り箸を取り出して、ふたりで黙ってラーメンをすすりはじめる。ズルズル、ズルズル。
  黙々と食べるふたり。と、アキラが口の中に指を入れて歯に詰まったものを取ろうとする。

ロペ 「どうしたんすか?」

アキラ 「なあ、メンマって、よく歯に挟まんない? メンマって縦に繊維が走ってるだろ。なのに、沢庵みたいに長細く切ってあるだろ。これがそもそもの間違いだと、オレは思うわけ」

ロペ 「どうすればいいんですかね?」

アキラ 「だからさ、サイコロみたいに四角く切るべきだと思うんだよ、オレは。崎陽軒のシューマイ弁当に入っているメンマはちゃんと四角いだろ。あれだと歯に挟まらない。よく考えてあると思うよ、あれは。崎陽軒の社長にノーベル平和賞をあげたいくらい」

ロペ 「え、平和賞!」

アキラ 「そ、おれの歯並びが平和に保たれてるからね」

  また、しばらく黙ってらラーメンをすするふたり。ズルズル、ズルズル。

ロペ 「先輩・・・・・、前から気になってたんですけど、メンマとシナチクとザーサイって似てるけど違いはなんですかね?」

アキラ 「おんなじ!」

ロペ 「ええー、おんなじなんですかあ!」

アキラ 「おおよ。もう、オレの人生においては全部おんなじ。ぜーんぶ、中華物、というカテゴリーに一緒くたになって分類されてる」

ロペ 「はあ、そうですか」

アキラ 「それで、これまで困ったことないよ。平穏無事な人生だったよ」

ロペ 「そりゃ、よかったですねえ・・・・・・」

   ラーメンを食べ終えたふたり。ふと見ると、アキラは割り箸を丁寧に紙袋に戻している。その割り箸を元の箸入れに差し戻している。

ロペ 「先輩、何やってんですか?」

アキラ 「見れば分るだろ。使用済みの箸を、戻してるんだよ。また誰かが使ってくれるように」

ロペ 「き、汚いじゃないですか」

アキラ 「何言ってんだ、お前は。これが最近はやりのエコっていうやつだよ。物を知らない奴だねえ」
 
  そういうと、アキラは、爪楊枝入れから楊子を取り出して、先ほど歯に詰まったメンマをシーハーし始める。

アキラ 「だめだよ、もっとエコの勉強しなくちゃ」

ロペ 「はあ、そんなもんすかねえ」

   すると、隣の席にいたキリン先生がぬっと顔を出す。

キリン先生 「アキラ、勉強をしなくちゃならんのはお前だ。だからお前は視野が狭いというとるじゃろ」

アキラ 「あ、先生。ども。お世話になってます」

キリン先生 「お世話になってる、じゃないよ。全く分ってないな、お前は」
   
そういって、キリン先生、楊子挿しに入っている楊子を全部掴んで引き抜いて、楊子の先をアキラに見せる。すべて先が汚れている。

キリン先生 「見ろ、アキラ。この店ではもう、エコは実施されているのだ。お前がシーハーしている爪楊枝も、もう、前に誰かが使ったやつじゃ。アホウ」

アキラ 「ひえーーー」
    

       爪楊枝を投げ出して椅子ごとひっくり返るアキラ。

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